自然の素材とともに受け継がれる伝統の技が支える床材、畳畳表に使用されるイグサ

畳表の材料のイグサは多年生の植物で、熊本、広島、岡山、福岡、高知などを中心に栽培されています。

イグサの苗の手植えは真冬に行われます。春に新芽の発育を促しためにイグサを45cmほどの長さに切りそろえる先刈りという作業を経て、夏に1.5m程になったものを刈り取ります。

畳表の制作で欠かせないのが泥染めで、イグサの独特の色・ツヤ、そして香りを引き出す為に行われます。

イグサをは織機を使って畳表に編み上げられます。畳一帖分に使用されるイグサは約4,000本、高級な畳では約7,000本i以上ものイグサが使われることもあります。編むときに使われる経糸は主に麻糸と綿糸が、高級品にはマニラ麻糸が使われます。

畳の吸放湿性、断熱性、弾力性を担う畳床

直接目に触れませんが、畳の重要な機能を担う畳床。かつての日本家屋の畳床は稲ワラを5cmまで圧縮して作られていましたが、近年の住宅は気密性、断熱性が高く、畳床にもより断熱性や耐湿性が求められるようになっています。

現在稲ワラに代わって主に使用されている畳床には断熱性と耐湿性に優れるポリスチレンフォーム(※1)やインシュレーションボード(※2)です。稲ワラよりも軽量で防カビ、防虫処理も施され様々な形状にも対応出来るというメリットもあります。これらの新しい素材のみを使用したものや、稲ワラも使用したハイブリッドなタイプなど、様々な構造の畳床がJIS規格に基づいて造られています。

また、畳床に竹炭をサンドイッチにして炭の持つ「空気清浄」「イオン交換」「調湿・調温」効果を付加したものもあります。

※1 ポリスチレンフォーム:発砲質の為断熱効果が高く、軽い。冬は暖かい。
※2 インシュレーションボード:木材の細かいチップを圧縮したもの。軽くて防虫、防カビ効果がある。

畳のサイズ

畳のサイズは地方によって様々です。

  • 京間(本間)  95.5×191.0×5.5cm
    主に近畿・中国・四国・九州で使用
  • 関東間(五八間)  91.0×182.0×5.5cm
    主に愛知・岐阜・三重で使用
  • 関東間(五八間)  88.0×176.0×5.5(または6.0)cm
    主に静岡以北で使用 江戸間、田舎間とも呼ばれる
  • 団地間(五六間)  五八間より小さい
    一定の決まりはないが85×170cm位 全国